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オキザリスはカタバミの仲間で、地下に球根を持つ球根植物です。日が当たるとパッと花が開き、日が陰る雨や曇りの日は花を閉じてしまう、そんないじらしい一面もあります。今回は、そんな古くから人気を集めるオキザリスの育て方について、ご紹介します。
オキザリスの育て方のポイントは、「肥料の与え方」と「種類の把握」が大切です。
オキザリスは肥料過多になると花つきが悪くなります。ただし、春植え種は肥料切れを苦手とします。肥料の量や頻度には気をつけてください。
▲オキザリス・バーシカラー
オキザリスには、約800種類以上が存在します。オキザリスの育て方は、どの種類品種を育てるのかによって少しずつ違いがあるため、まずはどの品種を育てるのかを決めましょう。
それらを「春植え種・秋植え種」、「大型・中型・小型」などに分類し、「球根の形」や「地植え栽培・鉢植え栽培のどちらにするか」も確認しておいてください。
オキザリスは白、赤、紫、黄色、ピンク、複色など、さまざまな色の花をつけます。特に人気の品種は下記をご覧ください。
種類 | 特徴 |
ボーウィー | 秋植え種。紫にも近いビビッドなピンクの大輪の花を咲かせる。 |
バーシカラー | 秋植え種。白い花びらの外側を濃いピンクで囲んだような複色カラーが人気。 |
バリアビリス | 秋植え種。大変育てやすく、純白の大輪の花を長期間咲かせる。 |
桃の輝き | 秋植え種。霜に当たっても枯れないほど寒さに強く、明るいピンクの花がよく咲きます。 |
オキザリスの種類についての詳細は、関連記事を参考にしてください。
オキザリスは、基本的に夕方の強い直射日光を避けた日の当たりのいい場所を好みます。また、気温がマイナスを越えると弱るので、12〜3月は室内や温室で管理するといいでしょう。
なお、地植えの場合は、霜に当たらない場所で育てるようにしてください。
また、休眠期と生育期では、管理する場所を少し変えた方が良いです。
夏 | 冬 | |
春植え種 | 日の当たりのいい場所で育てるようにしましょう。 | 休眠期にあたるので、明るい日陰程度の場所でも問題ないでしょう。 |
秋植え種 | 休眠期にあたるので、風通しの良い明るい日陰で育てるようにしてください。過湿状態になると球根が腐る可能性があるので気をつけましょう。 | 生育期にあたり、開花シーズンを迎えます。日当たりのいい場所で育てることでよく花を咲かせます。 |
オキザリスは基本的に過湿を嫌うので、水はけのよい用土を使いましょう。元肥を与える場合は、塩分を含まない緩効性化成肥料を鉢底にまいておきます。
鉢植え・プランターでオキザリスを育てる場合は、用土の配合は「赤玉土6:腐葉土3:川砂1」などの比率で混ぜておくといいでしょう。市販の草花培養土に、川砂を2割混ぜるのもいいです。
地植え栽培のオキザリスは、植え付ける1週間前に土を耕して、3〜4割の腐葉土をすき込んでおきましょう。水はけの悪い地質であれば、川砂を2〜3割混ぜておくといいでしょう。
オキザリスは、種類によってさまざまなサイズの球根があります。イナプスなどの小型種は3号ほどの鉢に植えるのがおすすめです。中型・大型種のバーシカラーやボーウィーなどは4号ほどの鉢で育てましょう。
オキザリスの植え付け時期は、春植え種は3〜4月、秋植え種は9〜10月が適期です。ただし、秋植え種でも、ロバータ、ルテオラなどの早咲き種は8月に植えるといいでしょう。
品種 | 植え付け時期 | |
春植え種 | デッペイ/イナプス/ルブラ/アデノフィラ/ラシアンドラ/レグネリー | 3〜4月 |
秋植え種 | バーシカラー/ボーウィー/桃の輝き/ペンターフィラ/ヒルタ/バビアビリス/セルヌア | 9〜10月 |
オキザリスの植え付け方法は、球根のサイズや形状によって異なります。下記に代表的な5パターンの植え付け方法をご紹介します。
なお、地植えするときには球根の間隔を5cmほどあけておくといいでしょう。
玉ねぎのような、下部は丸みがあり、上部は尖った形状をしています。このような球根の場合には、尖ったほうを上に向けて、深さ1〜2cmくらいの場所に埋めます。
例)ボーウィーなど
らっきょうのように、全体的にほっそりとしながらも、下部に丸みと上部に尖りがある形状をしています。
このような球根の場合には、尖理があるほうを上にむけて、深さ2〜3cmほどの場所に埋めましょう。
例)バーシカラーなど
オキザリスの品種の中には、上下の区別がつかない、両端が尖った形状をしている球根があります。このような場合には、球根を横向きにして、深さ1cmほどの場所に埋めていきましょう。
生姜にも似たいびつな根茎状をしています。このような球根の場合は、横にして深さ2cmほどの場所に埋めましょう。
例)レグネリーなど
まつぼっくりのような鱗茎がついた丸みのある形状をしています。このような球根の場合には、球根の下部3分の1を地中に埋めるようにしてください。
例)アデノフィラなど
葉が茂っている成長期には、表土が乾いたらたっぷりと水をあげるようにしましょう。休眠期に入って葉が枯れ始めたら、水やりを控えて乾燥気味に育てます。
地植えの場合は、基本的に水やりは必要ありません。ただし、成長期に長く雨が降らない乾燥状態が続くようであれば、たっぷりと水をあげてください。休眠期は基本的に水をやらずに育てます。
オキザリスは生命力が強く、肥料を与えずとも育ちます。とはいえ、生育期に緩効性化成肥料を置肥するか、月1〜2回水やりの代わりに液肥を与えることで、花つきはよくなります。
バビアビリス、ボーウィー、ルブラ、レグネリーなどの開花時期が長い品種は「土の中」に、大型品種ではないもので、かつ開花時期が短い品種は「土の上」に肥料を与えましょう。
オキザリスの球根が発芽したあとは、よく日に当てて育てるようにしましょう。周りの土を固めて、株がぐらぐらしないようにします。
発芽後1ヶ月間は、表土が乾いたら水をたっぷりとあげるようにしてください。その後はやや乾かし気味に育てていきます。
気温が0℃を下回ってしまうと株が傷むため、寒い地域の場合には12〜3月頃までは、室内に取り込んでおくと良いでしょう。
デッペイやレグネリー、ルブラは大株に育つので、ひとまわり大きいサイズの鉢に植え替えてあげましょう。
オキザリスは植え付け時期によって、開花時期も異なります。
春植え種の場合は5〜9月頃、秋植え種の場合は9〜3月頃に開花時期を迎えます(※品種によって異なる)。
花が終わって冬になると休眠期に入り、地上部は枯れてしまいます。雨が降ったり、霜が降りない場所で、土を乾燥させすぎないように管理しておきましょう。
花が終わって気温が高くなると、葉が枯れてきます。そうなったら、水やりをやめ、雨の当たらない日陰で管理しておきましょう。
地上部が枯れていても地下で球根は生きています。お水だけは切らさないようにしてくださいね。
春植え品種のオキザリスは、冬越しの際には室内に保管することがおすすめです。一方、**地植えの場合**は球根を掘り上げて乾燥させ、冷暗所で保管することもできます。
秋植え品種のオキザリス**は、冬の夜間に温度が5度以下になるような日に限り、室内に入れてください。暖かい場所でずっと管理すると成長が妨げられることもあるため、適度な寒さを与えることが大切です。
オキザリスは、春植え品種は11月頃、秋植え品種は5月頃に休眠期に入ります。この時期に球根を掘り上げて、分球することで増やすことができます。
なお、球根は通気性の良いネットなどにいれて、風通しの良い暗所で、植え付け適期まで保管します。
とはいえ、基本的には3〜4年植えっぱなしでも、自然と増えて育ちます。
オキザリスは繁殖力が高い植物です。球根からだけでなく、地下茎や種などからも増えていきます。
オキザリスの増えすぎを予防し、手入れを楽にするためにも、初心者の方は地植えよりも鉢植えで育てることをおすすめします。
オキザリスは病気や害虫に強く、強健に育っていきます。しかしながら、6月の梅雨時期や、9〜10月の台風時期に大量の雨水にあたると、根腐れを起こす可能性があるので、初心者の方は鉢植えにして移動管理することをおすすめします。
オキザリスは基本的に乾燥に強く、多少放っておいても元気に花を咲かせます。オキザリスを育てるコツは、休眠期と生育期の育て方の違いをおさえることです。休眠期は乾燥気味に育ててあげることで、よりきれいな開花を迎えられるでしょう。
松原真理子
GreenSnap編集部